
昨今戸建て住宅の外壁材として圧倒的シェアを誇るサイディング。そもそもサイディングとは何かという基礎から、窯業系や金属系など代表的な外壁材の特徴、塗装が必要になる理由、塗装時期や費用の目安までを徹底解説します。さらに、おすすめの塗料や助成金の活用、施工業者の選び方などを把握することで、外壁塗装の失敗を防ぎ、資産価値の向上やメンテナンス費用の削減までを紹介。正しい知識と準備があればサイディングの外壁塗装に失敗することはありません!
サイディングとは?外壁材の種類と特徴

サイディングとは何か?
サイディングとは、建物の外壁を覆うために用いられるパネル状の外壁材の総称です。近年の新築住宅やリフォームにおいて採用される頻度が高く、湿気や紫外線などの外的要因から建物を保護し、外観の美しさを演出する役割も担っています。軽量で加工しやすい製品が多い一方で、厚みや素材によって遮音性や断熱性などの機能面も異なるため、用途や住宅環境に合わせた選択が必要です。
日本国内では、日本サイディング協会などの専門機関が普及活動や品質管理を行っており、施工編などの基準も示されることで、より安全性と耐久性を重視した製品が普及しつつあります。
増え続けている市場規模
外壁材としてサイディングが選ばれる大きな理由の一つに、その施工の手軽さとデザインの多様性が挙げられます。実際、国土交通省のデータなどからも、新築分譲住宅やリフォーム市場でのサイディング採用率は年々高まっている傾向が見られます。従来の左官工法に比べ、強度と仕上がりが安定しやすい点やコスト面でのメリットも市場規模拡大の背景となっています。
また、需要が増加すると同時に製品の開発が進むことで、耐候性や防火性などの性能面でもより高品質なサイディングが続々と登場しています。これらの製品改良とリフォーム需要の拡大が重なり、90年代から普及率が高まり、新築戸建ての約8割がサイディングを採用している現状があります。

サイディングの種類
サイディングには、主に窯業(ようぎょう)系や金属系など、複数の素材タイプが存在します。素材ごとにメリット・デメリットが異なるため、建物の立地条件やデザイン、予算などを考慮して最適なものを選ぶことが大切です。以下の表に、代表的なサイディングの種類をまとめています。
種類 | 主な素材 | 特徴 |
---|---|---|
窯業系サイディング | セメント質や繊維質 | 耐火性や耐候性に優れ、色・デザインのバリエーションが豊富 |
金属系サイディング | ガルバリウム鋼板やアルミなど | 軽量で断熱素材を内蔵でき、凍害にも強いため寒冷地に向いている |
木質系サイディング | 木材や木質繊維板 | 自然素材ならではの風合いが魅力。耐久性や耐候性を高めるための処理が施されている |
樹脂系サイディング | 塩化ビニールなどの合成樹脂 | 軽量かつ防水性が高く、紫外線や雨水に強く長期間美観を保てる |
窯業(ようぎょう)系サイディング
窯業系サイディングは、セメント質と繊維質を主原料とする現在最も普及している外壁材の一つです。耐火性に優れ、施工後のデザインが豊富に選べる点が魅力となっています。劣化しにくい一方で、定期的な塗装メンテナンスを怠ると割れ(クラック)やコーキングの劣化が目立つ場合があります。
金属系サイディング
ガルバリウム鋼板やアルミなどを使用した軽量かつ高い断熱性能を備えたサイディングです。施工が比較的スピーディーで、リフォーム時に既存の外壁の上から重ね張り(カバー工法)できる点も強みです。ただし、傷がつきやすい面や、金属だけに錆る可能性があります。また、他のサイディングに比べコストが高めですが、耐久性に優れ長期的に見るとお得ともいえます。
木質系サイディング
自然の木材や木質繊維板を使用しており、温かみのある外観が評価されています。雨風の影響を受けやすい素材のため、防腐処理や塗装などの定期的なメンテナンスは必須です。木材特有の風合いと香りを生かしたデザインが好まれる反面、費用面で他の素材より高くなる場合があります。
樹脂系サイディング
塩化ビニールなどの合成樹脂を主成分とするサイディングで、耐水性や耐腐食性に優れていることから沿岸部や降雨量の多い地域などでの利用が増えています。軽量なので施工がしやすく、価格帯も比較的安定しています。ただし、塩害などによる腐食や錆びに強い一方で、外壁に染み込んだ水分が凍結、膨張を繰り返すとひび割れを生じる「凍害」に弱い面があります。
窯業系サイディングが人気の理由とメリットとデメリット

窯業系サイディングが人気の理由
窯業系サイディングは、セメント質と繊維質などを主原料として製造された外壁材で、現在の日本の戸建て住宅では主流の外壁材となっています。特に、デザインの豊富さと耐久性のバランスの良さが評価されており、さまざまな柄やカラーリングから選択できる点が多くの施主から支持を集める理由の一つです。
また、比較的施工がしやすく、工期や人件費の面でもコストを抑えられる傾向があります。さらに、耐火性能が高いものが多く、防火地域や準防火地域の住宅にも対応可能な製品が増えているため、安全面からも注目されています。
メーカー各社が機能性を年々強化しており、表面に汚れが付着しにくいコーティングを施したものや、遮熱効果を高めたサイディングなど、さまざまな製品開発が活発です。こうした向上した機能面も人気に拍車をかける要因となっています。
メリットについて
窯業系サイディングを採用する住宅は、街中で頻繁に見かけるほど普及しています。普及が進む背景には、下記のようなメリットが挙げられます。
メリット | 詳細 |
---|---|
高い耐火性 | 窯業系サイディングは燃えにくい素材を含んでいるため、火災時の延焼リスクを軽減します。建築基準法で要求される耐火性能を満たす製品も多く、なかには国土交通大臣認定を取得した商品もあります。 |
豊富なデザイン | タイル調やレンガ調など多種多様なデザインが展開されています。外観のイメージを自由に選べるため、新築からリフォームまで幅広く活用されています。 |
メンテナンス性 | 表面が比較的汚れにくく、雨水である程度の汚れが洗い流される商品も存在します。比較的長く美観を保てますが定期的なメンテナンスは必要です。 |
施工のしやすさ | 大判パネルであることが多く、工期を短縮しやすい特性があります。結果として施工費のコストダウンにもつながりやすい点が魅力です。 |
デメリットについて
メリットが多い一方で、長持ちをさせるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。以下の点に留意しておくことで、長期間にわたり外壁を良好な状態に保つことができます。
デメリット | 内容 |
---|---|
吸水性が高い | 塗膜が剥がれると主な材質がセメントのため吸水性が高く、コケやカビが発生し美観をそこねるなどの劣化がおきます。定期的な外壁塗装が欠かせません。 |
シーリング材の劣化 | パネル間をつなぐシーリングが劣化すると、雨水の浸入リスクが高まります。定期的なシーリング補修が欠かせません。 |
傷がつきやすい場合がある | 外壁の表面コートが剥がれたり傷がついたりすると、そこから雨水や汚れが浸透しやすくなります。小さな損傷を早めに補修することで被害を最小限に抑えられます。 |
窯業系サイディングの塗装が必要な理由と需要が今後増える背景
塗装が必要な理由
耐候性を維持し、資産価値を保つため
窯業系サイディングは、セメント質や繊維質を主原料とした外壁材です。紫外線や風雨の影響を受けると、表面の劣化が進みやすくなるため、定期的な塗装を行うことが求められます。塗膜が剥がれたり、ひび割れが生じると防水性が低下し、内部に水分が入り込んで建物内部の腐食を招く可能性もあります。
また、外壁の劣化は建物の見栄えにも直結します。塗装を適切に施すことで美観を保ち、建物の資産価値を維持することにもつながります。築年数が浅い段階であっても、日射や風雨への暴露条件が厳しい場合は、早めのメンテナンスが必要になるケースもあるため注意が必要です。
シーリングや継ぎ目部分の保護
窯業系サイディングはボード同士をシーリング材で接合しているため、シーリングの劣化による雨水侵入が発生しやすい点がデメリットといえます。塗装を行い、シーリング部分も併せて補修することで、外壁全体の防水性能を高めることができるのです。適切な塗料で塗装を行うと、シーリング材自体の寿命を延ばす効果も期待できます。
需要が今後増える背景
近年は新築戸建てへの採用のみならず、既存住宅のリフォーム市場が拡大しており、窯業系サイディングの塗装需要も増加傾向にあります。さらに、高いデザイン性とコストパフォーマンスの面から需要の継続的な伸びが見込まれています。
背景要因 | 具体例 |
---|---|
既存住宅の老朽化 | 築年数が15~20年以上の物件が増加しており、塗装などリフォーム需要が高まっている |
メンテナンス意識の向上 | 建物の資産価値維持を重視し、定期的な塗り替え工事を検討する人が増えている |
リフォーム関連制度の活用 | 省エネや断熱性能向上を目的とした補助金などの利用で外壁塗装工事を後押し |
窯業系サイディングのシェアの拡大については、国土交通省の住宅着工統計などを参照すると、リフォーム市場が拡大傾向にあることが確認できます。既存住宅・中古物件の流通を促進しようとする政策も強化されており、外壁改修やリノベーションの需要は今後も増加する可能性が高いといえます。
そのため、定期的なメンテナンスと適切な塗装は、今後も重要性が高まるでしょう。塗装に対する正しい知識を持った業者を選定し、コストをかけるべきポイントを見極めることが、長い目で見て損をしないための秘訣といえます。
塗装時期とメンテナンスのタイミング

サイディングは比較的耐久性の高い外壁材として知られていますが、日々の紫外線や風雨の影響によって、少しずつ劣化が進行していきます。そこで住宅の資産価値を保ち、雨漏りや構造部分へのダメージを防ぐためには、定期的な塗装やメンテナンスが必要です。適切なタイミングを見極めずに放置してしまうと、大がかりな補修工事が必要になり、かえって修繕費用が高額になるケースもあるため注意が必要です。ここでは、主なサイディングの劣化サインと塗装の最適な時期について詳しく解説していきます。
サイディングの劣化サイン
外壁を長持ちさせるためには、普段から定期的な目視チェックを行い、早期に異常を発見・補修することが重要です。以下のような症状が見られたら外壁の状態を見直し、専門業者に相談するタイミングといえます。
主な劣化サイン | 具体的な症状 | 対応策 |
---|---|---|
チョーキング | 外壁を手で触れると白い粉が付く状態 | 強めの洗浄や塗装の検討 |
ひび割れ(クラック) | 経年や衝撃による目立つ亀裂 | 早めの補修や部分的な交換 |
コーキングの劣化 | シーリング部分の硬化や亀裂、剥離 | コーキング打ち替えや増し打ち |
カビ・コケ | 湿気が多い面で黒ずみや緑色の付着が発生 | 洗浄と防カビ・防藻効果のある塗料で塗装 |
色あせ | 紫外線などの影響で塗装面の色が薄くなる | 再塗装による美観の回復 |
特に、チョーキングやコーキングの劣化は放置すると雨水の侵入を招き、建物内部の腐食リスクを高めます。これらの症状は、一般社団法人 日本塗装工業会などの専門機関も注意喚起しており、早めの対応が推奨されています。
塗装の最適な時期
サイディングの築年数や劣化具合によって、塗り替えのタイミングは異なりますが、一般的には築10年前後、あるいは前回の塗装から10年ほどを目安にするとよいとされています。日本ペイント株式会社の情報でも、気候条件や立地環境によっては、より早期の塗装が望ましい場合があると紹介されています。
ただし、弊社リルーフとしておすすめするメンテナンスサイクルは3~5年を推奨しています。
理由としては、塗膜が剥がれ外壁に浸水してしまうと急速にコケやカビが発生し、美観をそこね、劣化が進行するからです。
また、季節によって気温や湿度が変化するため施工時期を考慮することも重要です。気温が低い冬場は塗料が乾きにくく、梅雨や台風シーズンのように雨量が多い時期は工期が長期化しやすいため、施工品質と費用面のバランスを見ながら時期を決定するとよいでしょう。施工時には以下のような点を確認することもおすすめです。
チェック項目 | 内容 |
---|---|
施工時期 | 雨や低温が多い季節を避け、乾燥が見込める時期を選択 |
施工日数 | 塗装面積や下地の状態で変わるが、余裕をもった日程を組む |
足場の高さ・広さ | 隣家との距離や設置スペースを考慮して安全に作業できるように手配 |
このように、塗装時期の選定やメンテナンスの実施は建物の寿命に直結します。しっかりとした事前調査を行い、複数の業者に見積もりを依頼したうえで、適切な時期と内容で塗装工事を進めるとよいでしょう。
サイディングの塗装におすすめ塗料5選

サイディングの外壁は、素材自体の耐候性を活かすためにも塗装が欠かせません。特に、塗料によって仕上がりの美観やメンテナンスサイクルは大きく変わります。ここでは、サイディングの塗装に向いている代表的な5つの塗料と、その選び方について詳しくご紹介します。
シリコン塗料
特徴
シリコン塗料は、比較的リーズナブルな価格帯と安定した耐候性を兼ね備えているのが大きな魅力です。耐久年数の目安は約10年程度とされることが多く、一般住宅の外壁によく用いられます。塗膜の光沢や防水性能も確保しやすく、コストパフォーマンスと仕上がりのバランスを重視する方に適しています。
フッ素塗料
特徴
フッ素塗料は、高い耐候性と光沢保持力が評判で、ビルや大型施設などにも広く採用されています。サイディングにも適用可能で、紫外線や雨風にさらされても塗膜劣化が起こりにくいのが利点です。耐久年数はおよそ12~15年と長めですが、その分価格はやや高めになります。
クリア塗装
特徴
クリア塗装は、もともとのサイディングのデザインや模様を活かしたい場合に選ばれます。透明な塗膜ができるので、意匠性を維持しながら保護機能を高めることができます。ただし、サイディングの劣化や変色が進んでいる場合は、下地が透けてしまうため施工が難しくなることがあります。
ラジカル塗料
特徴
ラジカル塗料は、近年注目されている新技術を活用した塗料です。紫外線などによる塗膜の分解を抑制する効果があり、チョーキング(粉化)の発生を抑えられるとされています。従来のシリコン塗料と価格帯が近いものの、より長持ちするケースが多いのが特徴です。
無機塗料
特徴
無機塗料は、セラミック成分などの無機物を含む高耐久仕様で、汚れが付着しにくい性質があります。地球環境に配慮された製品も増えており、近年需要が高まっています。耐久年数は15~20年ほどと長く、光沢感や防汚性にも優れている反面、他の塗料よりも価格が高めです。
塗料名 | 耐久年数目安 | 価格(㎡あたり) | 主な特徴 |
---|---|---|---|
シリコン塗料 | 約10年 | 比較的安い | コストと機能のバランスがよい |
フッ素塗料 | 約12~15年 | 高い | 耐候性に優れ、光沢保持力も高い |
クリア塗装 | サイディングの状態次第 | 中程度 | 既存の風合いをそのまま残せる |
ラジカル塗料 | 約10~12年 | シリコン塗料と同程度 | チョーキングの発生を抑制 |
無機塗料 | 約15~20年 | 高い | 耐久性が高く汚れが付きにくい |
サイディングの塗装に使用する塗料は、性能と価格、そしてデザイン性のバランスをよく考えることが大切です。塗料の選択だけでなく、施工業者の技術力によっても仕上がりが大きく変わります。実績や保証内容を確認し、納得のいく塗料を慎重に選びましょう。有名メーカーの製品であっても、適切な下地処理や施工手順を踏まえなければ本来の耐久性を発揮できません。必ず業者と相談しながら最適なプランを立てるようにしてください。
外壁塗装の費用相場とコストを抑えるコツ

塗料別の費用相場
外壁塗装にかかる費用は選択する塗料や建物の規模によって大きく異なります。また、建物の劣化状況や下地処理の有無によっても費用が変動するため、相場を知っておくことが大切です。 以下は代表的な塗料の種類と1㎡あたりの費用相場、そしておおよその耐用年数をまとめたものです。ただし、実際の価格は業者や地域によって変わることがあるため、あくまでも目安としてご覧ください。
塗料の種類 | 費用相場(1㎡あたり) | 耐用年数(目安) |
---|---|---|
シリコン塗料 | 約1,800円~2,500円 | 10~12年 |
フッ素塗料 | 約2,500円~3,500円 | 12~15年 |
クリア塗装 | 約2,000円~3,000円 | およそ10年 |
ラジカル塗料 | 約2,000円~3,000円 | 10~12年 |
無機塗料 | 約3,500円~4,500円 | 15~20年 |
同じ塗料を使用していても、下地の状況や建物の構造、施工面積などによって全体的な総額は変わるため、複数の業者で見積もりを取り相場を比較することが重要です。費用や耐久性だけでなく、仕上がりの美観や将来的なメンテナンス性も踏まえて検討するようにしましょう。
参考情報としては、一般社団法人 日本塗装工業会 公式サイトにも塗装に関する基礎知識や情報が掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。
費用を抑えるための見積もり時のコツ
塗料の種類や使用量だけでなく、職人の人件費や足場の設置費用など、外壁塗装の見積もりにはさまざまな項目が含まれます。特に相見積もりを取ることで不必要な作業や不当な価格を見抜きやすくなるため、2~3社ほど依頼するのが一般的です。以下に、費用を抑えるための具体的なポイントをご紹介します。
1. 内訳の確認
見積もり書には、どの工程にいくらかかるかが細かく記載されているか確認しましょう。足場代や高圧洗浄、養生などが不透明になっているケースもあるので注意が必要です。
2. 施工日数や人数の確認
実際に施工にかかる人数と日数によっても、最終的な費用は大きく変動します。工期が短すぎる場合は作業の質に不安が残り、逆に長すぎる場合は人件費が高くなる可能性があります。
3. 適切なメンテナンス周期の把握
サイディングの種類や塗料の耐久年数に合わせた無理のないスケジュールで塗装工事を計画することも重要です。劣化が進む前に適切な時期で塗り替えを行うことで、大規模な補修を避けられ、結果的にコストを抑えられることもあります。
外壁塗装で使用できる助成金、補助金について
地域によっては、外壁塗装を含むリフォーム工事に対して助成金や補助金が支給される制度があります。各自治体ごとに条件や金額が異なるため、まずはお住まいの市区町村のホームページや窓口を確認しましょう。たとえば、東京都では以下のページで住宅改修の利子補給や融資あっせんの情報を公開しています。
住宅改修資金融資あっせん、利子補給(東京都都市整備局公式サイト)
該当の要件を満たした場合に限り、申請によって工事費用の一部が補助されるケースもありますが、申請書類や手続きが煩雑になることが多いのも事実です。申請期限や施工着工前の届け出が条件となる可能性もあるので、手続きを進める際は必ず事前に自治体へ詳細を確認するようにしましょう。
サイディング塗装で失敗しないための注意点
信頼できる業者を見極める
サイディングの塗装で失敗を防ぐうえで最も重要なことは、実績や専門知識のある業者を選ぶことです。塗装工事の事例や施工実績を確認し、定期的な打ち合わせや進捗報告をきちんと行ってくれるかも見極めましょう。
また、一般社団法人 日本塗装工業会や日本塗料工業会など、公的な団体に加盟しているかどうかをチェックするのも一つの手段です。これらの団体に加盟している場合は、一定水準の知識や技術を持つ業者である可能性が高く、保証やアフターフォロー体制も比較的充実しています。
塗料の選定で失敗を避ける
サイディング塗膜の劣化を防ぎ、長期的に保護するには適切な塗料を選ぶことが大切です。塗料には耐候性・耐汚染性・防藻性などさまざまな性能がありますが、それぞれの製品で特性が異なります。自宅の現状や環境条件を踏まえ、専門業者のアドバイスを参考にして選ぶようにしましょう。
また、メーカーによっては塗料の推奨使用期限や施工方法が異なるため、使用する製品の取扱説明書や推奨施工手順をしっかりと確認することが重要です。施工前に業者と相談し、仕上がりイメージと性能面を両立できる塗料を選ぶよう心がけましょう。
下地処理を怠らない
サイディング塗装では、既存の外壁との密着性を高めるための下地処理が不可欠です。旧塗膜の劣化や汚れ、コケや藻などは高圧洗浄や適切なケレン(研磨)で除去し、必要に応じてクラック(ひび割れ)部の補修やシーリングの打ち替えを行ってください。下地が不十分だと塗膜が剥がれやすくなり、せっかくの塗装が短期間で劣化してしまう原因にもなります。
塗装工程では、下地調整・下塗り・中塗り・上塗りとステップを踏みますが、どの工程も省略や手抜きがないかを業者に確認しましょう。
よくある失敗例と対策
よくある失敗例 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
塗装後すぐに塗膜が剥がれる | 下地調整不足や湿った状態での施工 | 十分な洗浄・乾燥後に下地補修を行い、適正条件で塗装する |
色むらが目立つ仕上がりになる | 中塗りと上塗りの塗料や色が合わない | 同シリーズの塗料を使って均一に仕上げる |
施工数年後にひび割れが拡大 | 補修不足のまま塗装で隠してしまった | クラック部の補修材・シーリングを適切に施工する |
アフターサービスの確認
工事完了後にトラブルが発生した場合、業者にすぐに連絡し点検・修繕を依頼できるかどうかの体制も確認してください。長期的に家の外観と性能を維持するためには、定期点検と適切なメンテナンスが欠かせません。
施工時期を考慮する
サイディング塗装は、気候条件によって乾燥時間や塗料の仕上がりに影響を受けます。梅雨時期や真冬の極端に低い気温では、塗料の乾燥や硬化に時間がかかるうえ、表面が白化するなどの不具合が生じるリスクもあります。晴天が続く春や秋頃を狙うなど、気候に合った施工時期を見極めましょう。
また、工期の延長も想定しておくことをおすすめします。急ぎで仕上げてしまうと、塗膜がしっかり硬化する前に雨が降った場合などに剥がれ・色落ちが発生する恐れがあります。
外壁塗装は屋根修理と同時に行うのがおすすめ
屋根の修繕と外壁の塗り替えを一緒に行うと、費用や労力を抑えられるため、とても効率的です。
コストの削減
屋根の修理も外壁塗装も、高所での作業が必要なため、足場の設置が欠かせません。これを別々に進めると、足場代や関連する費用がその都度かかってしまいますが、一緒に施工すれば1回分のコストで済み、結果として大幅な節約になります。さらに、業者によっては同時作業で割引が受けられることもあります。
工事期間の短縮
足場の組み立てや解体、現場の養生といった準備作業が一度で終わるため、全体の工期がコンパクトになります。工事中は騒音や塗料の匂いなど、日常生活に影響を与える要素が発生しますが、期間が短くなればそのストレスも軽減され、快適さを取り戻すのが早まります。
コミュニケーションコストの軽減
同時に進めることで、業者とのやり取りやスケジュール調整の手間が減ります。複数の業者と別々に連絡を取ったり、それぞれの工事を管理したりする必要がなく、一括して任せられるため、時間と労力を大幅に節約できます。
こうした3つのメリットがあるため屋根修理と外壁塗装を同時に行うのは、効率性と利便性を考えると賢い選択と言えるでしょう。
外壁塗装と屋根修理を同時に行うのがおすすめな理由を詳しく知る >
まとめ
サイディング塗装は素材や塗料の特性、業者の施工技術など、さまざまな要因が複雑に絡み合います。信頼できる業者の選定・適切な塗料の選び方・下地処理の徹底・保証内容の確認といったポイントを押さえることで、長期的な美観と耐久性を保つことが可能です。外壁は住宅の印象を大きく左右する重要な部分ですので、じっくりと検討して最良の選択をしていただければと思います。
また、外壁塗装のタイミングは屋根のメンテナンスサイクルと重なることが多いので、ぜひ、同時に屋根の修理工事も念頭に置いて考えてみてください。
この記事の監修者

- 株式会社Re'roof 代表取締役
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「お客様の大切なお住まいを、屋根からお守りする」という信条の基、日々高品質×低価格にてお客様に安心の本物の屋根の修理、ご提供をおこなっている。常によりよいものを考え新しい技術や資格にも挑戦しつづける、向上心の固まりなリルーフ代表。
国家資格:一級建築板金技能士【検定職種:建築板金(内外装板金作業)】、技能士番号:21-1-122-14-0003
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