スレート屋根とは?
スレート屋根とは「セメントで作った厚さ5ミリほどの薄い板状の屋根材」のことで「コロニアル」とも呼ばれます。もともとコロニアルという名称はある建材メーカーがスレート屋根材に対して命名した商品名でした。それが浸透して「スレート屋根」イコール「コロニアル」となり、どちらを使っても正しいということになります。また「カラーベスト」という呼び名も同じ建材メーカーの商標です。このサイトでは正式名のスレート屋根という名称を使います。日本の住宅の約3割はスレート屋根が使われていてスタンダードな屋根材だといえます。
スレート屋根の種類
- 天然スレート(粘板岩という天然石を加工したもの)
- 平板スレート(文字通り平らな板状のもの)
- 厚型スレート(厚手の頑丈なもの)
- 波型スレート(波打っているもの))
スレート屋根には棟板金(むねばんきん:屋根の頂上に取り付ける役物)が設置されます。棟板金はどのようなほとんどの屋根に必須の役物となっています。役物とは規格品の基本的な形状から遊離した板金部材のことをいい、特殊な役割を持つものとして用いられます。
スレート屋根の材質について
現在はほとんどのスレート屋根の棟板金などが、ガルバリウム鋼板またはSGL鋼板で作られています。SGL鋼板はガルバリウム鋼板の進化形で、メッキにマグネシウムがプラスされています。これによりサビを強力に防ぎ、従来の約3倍の耐久性を持つようになります。
『知っておきたいアスベストとスレート屋根の微妙な関係』
アスベスト(石綿)は天然資源として産出される繊維状のケイ酸塩鉱物です。非常に優れた耐火性、耐熱性、耐腐食性を持ち、しかも軽量なため、主に建築分野で活用されました。ところが吸引すると肺がんや中皮腫などを引き起こすことが判明し、使用が法的に差し止められました。禁じられたのは2004年ですから、それ以前と以後ではアスベストの扱いに微妙な違いがあります。屋根に使われているアスベストは封じ込まれて飛散しないので撤去する義務はなく、住んでいる分には問題ありません。
2004年以前のアスベストを使った屋根は耐久性に優れ、建築物の寿命を伸ばすことが期待されていました。しかし2004年以後はアスベストの使用が禁止され、流通も全面的に止まりました。施工する職人がアスベスト繊維(直径が人の髪の5000分の1)を吸い込む危険性を勘案してNGになったのです。現在すでに使われているアスベストを撤去する際は通常の約2倍の廃棄物処理費用が掛かります。具体的な金額はお見積もりとなります。
スレート屋根の補修が必要になる原因や時期
- 原因/多くの場合が経年劣化
- 時期/スレート屋根の寿命は10~15年くらい
スレート屋根に塗装は必要か?
スレート屋根はメンテナンス次第でそれなりに長持ちしますが、そのメンテナンスのサイクルが短いことが難点です。なぜなら他の屋根材と比べて表面の塗膜が弱い特性があるからです。したがって塗装が必要になります。塗装の目的には次のようなものがあります。
塗装で
①美観
②断熱性
③防水性
④耐久性
を確保する
スレート屋根に塗装する場合の費用について
スレート屋根塗装の費用相場(30~40坪の一般的な戸建て住宅の想定費用)
塗料 | 工事総額の相場相場 |
---|---|
ウレタン系塗料 | 45万円程度 |
シリコン系塗料 | 50万円程度 |
ウレタン系塗料 | 65万円程度 |
※屋根の面積や状態によって費用相場は変動します。正確な金額はお見積をご依頼ください。
スレート屋根の補修/修理方法は?
平板スレートなどの厚みがあるスレートは施工ができないため、カバー工法や葺き替えを検討することになります。しかしメンテナンスとしてのカバー工法はむしろリフォームに近く、本格的な工事になる可能性があります。- 部分補修(屋根素材の差込みなどで済む簡易工事)
- 塗装
- カバー工法(既存屋根材の上から新規屋根材を貼っていきます)
- 葺き替え(既存屋根材をすべて剥がし、野地板から新しいものに貼り替えます)
スレート屋根の交換時期は施工後約10年~15年、塗装は1回が基本です。この場合でも普段からメンテナンスしている家と、していない家では明らかな差が出ます。また先に述べたようなアスベストが入った家であれば20年以上長持ちすることもありますが、ひび割れや塗膜の剥がれ、苔の付着が見られる場合はメンテナンス時期と考えるようにしましょう。
屋根を塗装する場合は直射日光に耐えるシリコン塗料か遮熱塗料が一般的です。大切なのは紫外線に強いこと。スレート屋根に塗装が必要という意味がご理解いただけると思います。
スレート屋根の補修/修理費用について
補修・修理内容 | 一般的な費用相場 |
---|---|
スレートの交換工事 | 5万円前後/箇所 |
スレートのコーキング補修 | 2~5万円/箇所 |
屋根の修理については個々の現場によって事情や環境が異なります。推奨するのはカバー工法や葺き替え工事ですが、修理方法は現地調査を行い、お客様のライフプランをヒヤリングしてからお客様に寄り添ったご提案いたします。そして私たちリルーフは必ずお見積もりを提出して納得いただいてから作業いたします。
屋根業者選びのコツ
スレート屋根を修理するにあたってもトタン屋根のときと同じように、まず屋根業者をしっかり選ぶようにしましょう。ふらりと現れた飛び込み業者ではなく、身元の確かな業者を選ぶべきです。
- 身近な工務店/会えば挨拶するようなご近所の工務店
- 屋根専門店/何でも相談できる屋根に特化した企業または職人
- カバー工法(既存屋根材の上から新規屋根材を貼っていきます)
- 競合を勝ち抜いた業者/複数の業者との相見積もりをクリアした業者(ただし必要条件が明記された正式な見積書を作成してくれる業者で、あいまいな料金や、あと出しの追加作業を言い出さないこと)
屋根修理は部分補修が可能な場合もありますが、本格的なリフォームになることもあります。何でも気軽に話せて信頼できる業者を選定し、念入りな打ち合わせをしながら作業を進めたいものです。
この記事の監修者
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「お客様の大切なお住まいを、屋根からお守りする」という信条の基、日々高品質×低価格にてお客様に安心の本物の屋根の修理、ご提供をおこなっている。常によりよいものを考え新しい技術や資格にも挑戦しつづける、向上心の固まりなリルーフ代表。
国家資格:一級建築板金技能士【検定職種:建築板金(内外装板金作業)】、技能士番号:21-1-122-14-0003
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